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2020年10月29日 (木)

NHK「1945ひろしまタイムライン」その後~日本人の課題として残りました

1945ひろしまタイムライン」はその後、私が知る限りですが次のような動きがありました。時系列でご紹介します。

 

923日~在日本大韓民国民団(民団)中央本部人権擁護委員会などが広島法務局に人権救済を申し立てる。「投稿は民族差別を扇動する」としてNHK広島放送局への勧告を求める。

102日~NHK広島放送局は8月までのツイッター投稿を削除し「1945ひろしまタイムライン」ホームページにまとめて投稿を移設。以前のツイートはそのまま掲載。

104日~広島市内で「ひろしまタイムラインと広島の民族差別の現在」というテーマで集会が開催される。オンラインも含め約120人が参加。

105日~「NHKひろしまタイムラインと広島の民族差別の現在」実行委員会メンバーらがNHK広島放送局に抗議文と、連名者名簿、コメント集を手渡す。

10月9日~「1945ひろしまタイムライン」HP上のブログ「原爆は国籍や民族の区別なくあらゆる人々を襲った」の中において在日コリアンの被爆者の話が掲載される。

  • NHKの対応

1945ひろしまタイムラインのホームページ(https://www.nhk.or.jp/hiroshima/hibaku75/timeline/index.html)」・ひろしまタイムラインブログ内「舞台裏話」で、6月16日、820日のツイート自体の削除なし。ツイートに注を追加。「原爆は国籍や民族の区別なくあらゆる人々を襲った」の項目が新設され、朝鮮半島にルーツをもつ被爆者(李鐘根さん、朴南珠さん)、東南アジア留学生マレーシア・米国兵捕虜の被爆者の話が掲載される。

以上のような動きがありました。結果からいうと、ツイートの炎上、社会問題化したにも関わらず、在日コリアンへの謝罪や掲載経緯などの説明がなく、ネット上での削除はしなかったということになります。ツイートのまとめをHPへ移設しましたが新聞記事によるとツイートを読みやすくするために元から予定していたものということでした。さらに「まとめツイート」に追加された注は資料を基に書いたことやリアリティを感じてほしかった旨のことが書かれていますが、説明は簡単すぎるほど簡単で、当時からあった朝鮮半島出身者への民族差別に関しては触れていません。またHP上で追加された「原爆は国籍や民族の区別なくあらゆる人々を襲った」に掲載された朝鮮半島にルーツを持つ被爆者の話は問題が大きくなってからの掲載のためアリバイ工作のように感じてしまいました。シュンさんのツイートはNHKの中で問題の本質への追及が行われなかったという、とても残念な結果になってしまいました。

戦争を考える企画で私たち日本人の中にある差別意識と向き合ってこなかった実態が浮き彫りになってしまいました。戦時中の朝鮮人差別が75年経った現在まで続いていたことが明確になったのです。シュンさんのツイート問題はNHKだけに突きつけられた課題ではありません。日本人自身がこのシュンさんのツイートについて考えなければいけないのですが、今だにあのツイートがなぜ問題なのかという声があります。私たち日本人は朝鮮半島にルーツを持つ人々に対して何をしてきたのか。今一度、歴史を振り返る必要があります。

 

 

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