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2020年2月25日 (火)

今、在日コリアンの子供たちは何を思っているのか。在日朝鮮学生美術展を見てきました。

旧日銀広島支店で開催されている「在日朝鮮学生美術展」(~2月29日金曜日まで)に行ってきました。絵画や造形物、写真など小学生から高校生まで、全国の朝鮮学校の生徒の作品が展示されていました。48回を重ねるこの美術展は東京、名古屋、大阪、福岡、札幌など全国各地をまわる巡回展で、広島は2月22日から開催されています。美術展のHPを見ると「ウリハッキョでは今、在日3世、4世たちが取り巻く環境を諸共せずたくましく学んでいます。在日朝鮮学生美術展は、そのような民族学校の場で学ぶ子供たちの大事な表現発表の場として毎年定期的に行われてきました。ウリハッキョにおいては、マニアル化された表現技法や技術取得に囚われることなく、感じたモノを素直に等身大で表出する事に大きな比重を置き幼稚園から高級部まで一貫した美術教育が実践されています。」と書かれています。私は今回、初めて拝見しましたが、今の日本に生きている在日コリアンの子供たちが何を思っているのか垣間見ることができた気がしました。

 

実はSNSである学生さんの作品のことは知っていました。「Café:Freedom of expression」というインスタレーションのような作品で、箱のような空間の中に作者がいて見に来た客と直接対話するというものです。この箱のような囲いの外側には在日コリアンに対してのヘイトクライムの言葉が張り出されています。読むに堪えられない言葉が羅列されていますが、それは恐らく作者自身が書いたものと思われます。どんな思いでこの言葉を書き写したのかと想像するだけで、なんて残酷なのだろうと胸が痛みます。しかし作者はヘイトクライムを芸術作品に仕上げ、見る者私たち日本人に強烈なメッセージを伝えます。今回、この作品は写真のみの展示でしたが、それでも見ていて胸が潰されそうでした。作者の勇気と表現力は素晴らしいものでした。

「고마워ありがとう」という作品も写真のみでしたが印象的な作品でした。亡くなったお爺様が着ていたであろう衣服が何着も展示されていました。ラフなものからオシャレなものまで、日本で生きてこられた生前の御爺様がそこにはおられました。生で作品を見たら、私は泣いてしまうかもしれないと思いました。

北朝鮮に行った時のことを表現した絵もありました。「混ざり溶けあう」というタイトルの作品は太極の赤と青が細い線で混ざり合っているもので、真っ白なキャンバスに描かれた大作です。その明るさと美しい色合いでひと際目を惹かれました。説明文には、初めて行った祖国で懐かしさと暖かさを感じたこと、板門店で韓国との分断を実感したことが書かれていました。そして「統一と平和を願い、人々が踊り混ざり合い、1つの大きなものとなる様子を表現してみました。」と作品に込めた思いを綴っていました。

 

学生さんたちは在日コリアン4世、5世の方もいるかもしれません。日本で生まれ育った子供たちが日本を自分の居場所として感じられないというのは、日本人の私から見ると余りにも寂しいですし、そう感じさせているのは私たちだと思うと情けなく憤りを覚えます。在日コリアンの方々は日本人と共に生き、日本の歴史を刻んでこられたのです。そしてこれからも、日本の未来を共に作っていく方々です。日本人は在日コリアンの方々に対しどれだけ心を寄せてきたのか。「在日朝鮮学生美術展」は日本人に静かに語りかけてきます。

 

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