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2019年4月29日 (月)

「被爆者はどこにいても被爆者だ」朝鮮半島被爆者の支援者集会に参加してきました

韓国の原爆被害者を救援する市民の会・広島支部主催の「被爆者はどこにいても被爆者だ」が先週25日に市内で開催されました。これは先日リニューアルオープンした広島の原爆資料館に韓国の被爆者・郭貴勲さんが資料を提供し、来広することになっていたため、郭貴勲さんに記念講演をしていただこうと企画されたものでした。しかし残念ながら、郭さんのお体の大事をとって来日はならず、当日はビデオレターでの講演となりました。集会は大盛況で、大勢の方が参加されました。今回は集会の様子をご紹介します。

 

会は2部構成になっており、1部では郭貴勲さんのビデオレター、2部は韓国の原爆被害者を救援する市民の会・会長の市場淳子さんによる「在韓被爆者の現状について」、在朝被爆者支援連絡会議・役員の金子哲夫さんによる「在朝被爆者の現状について」、それぞれ講演がありました。

 

ビデオレターでは郭貴勲さんが流暢な日本語でお話をされていました。徴兵され被爆して帰国するまでの体験が、まるで昨日のことのようによどみなく語られ、被害者にとっての経験は歳月とは無縁のものなのかもしれないと感じました。郭貴勲さんの御見事な日本語はよく存じ上げていますが、日頃、日本語を使う機会がほとんどないはずなのに、お変わりなく流暢で本当に驚きました。

 

2部での市場淳子さんのお話は韓国の原爆被害者を救援する市民の会(以下、市民の会)の活動についてでした。市民の会の設立目的は「韓国の被害者支援」「日本政府に植民地支配の謝罪と賠償をさせること」だったといいます。加えて「日本社会において、日本政府が植民地支配の反省をしないことを認識させること」でした。在韓被爆者支援の一環として裁判を行い、裁判で勝ち取った末に日本からの支援を受けることができるようになりましたが、まだ「謝罪と賠償」は残っています。市場さんは「初心に立ち返って運動をしていかなければいけない」と締めくくりました。

 

金子哲夫さんによる「在朝被爆者の現状について」では、昨年の訪朝報告と厚生労働省との交渉について話されていました。在朝被爆者支援連絡会議は去る4月22日、厚生労働省に対し在朝被爆者支援について要望を行いました。要望内容は在朝被爆者について「日本政府が無策であったことへの謝罪と基本的な方策を明らかにすること」や、「人道上の立場から緊急の方策を講じること」などで、北朝鮮政府との協議を求めました。しかし厚生労働省の回答は、「北朝鮮に居住している被爆者であっても被爆者援護法が適用されている」ということでした。確かに中国の北朝鮮領事館を介せば、手帳申請や手当申請ができるかもしれません。しかしそれができないため、在朝被爆者支援連絡会議ができ、日本から政府に要望しているのです。金子さんは「厚労省は国交断絶のことをいうが、人道支援であれば援護法に関係なく支援できるはずだ。共和国の被爆者の願いも被爆者援護法の適用ではなく、人道的支援なのだ。今までも施行規則の中でやってきているので、変えようと思えば変えられる」と、日本政府の柔軟な対応を強く訴えていました。

 

熱心に話を聞く方々の姿に、このように歴史の事実を知ろうとする方々がすこしずつ増えれば、日韓関係も変わってくるのではないかと感じます。またこうした集会を韓国でも行うことができれば、何か新たな道も見えてくるかもしれないと思いました。

 

 

 

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