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2019年2月

2019年2月26日 (火)

被爆2世裁判でのこと

去る2月12日、広島地裁で被爆2世裁判の7回目の口頭弁論がありました。原告側から準備書面が出され、国側から出された書面の反論がなされました。弁護団の話しでは、このように裁判が長引くことは通常はないようです。被告である国が書面を準備する時間をしっかりと設けていることで長引いているようです。被爆2世への遺伝的影響について否定する科学的根拠を調べているようですので、今後裁判で何か明らかになることがでてくるかもしれません。科学的根拠が判明すれば、それは2世にとっても嬉しい知らせになります。

裁判終了後の報告会では原告から自分たちの体験談も話されました。生まれてすぐ亡くなった兄弟がいる、若い時に死んだ2世がいるといった身近な経験が次々と出てきました。広島や長崎のような被爆地にいると、被爆者や被爆2世があまりに多すぎて当たり前になっていることが、実は当たり前ではないということも考えられます。裁判とは関係なく、2世の具体的な体験を数多く集めることも、今後の課題となってくるのではないでしょうか。

2世裁判とは直接関係のない話ですが、気になったことを一つ。前回から広島の裁判所に入る際、入念なセキュリティーチェックが入るようになりました。航空会社のようなゲートと金属探知機での身体検査です。この度、次のようなことがありました。ペースメーカーをしている方が、事前の申請通り別の場所から入ろうとした際に体に金属探知機をあてられたのです。事前に申請をさせているということは裁判所は知っているということです。にも関わらず、こうしたことが起こりました。一歩間違えば身体に影響が出る大きな問題です。また歩行が困難な原告は法廷まで行くために、非常に辛い思いをして行くことになりました。なぜなら入り口が1カ所になってしまったために、遠回りを強いられているからです。その方は足の痛みをこらえながら必死に法廷に向かいました。裁判中に刃物を持ち込んだという例があり、こうしたセキュリティーチェックは必要なのかもしれませんが、利用者の身体に苦痛をもたらされるようなことがあっていいとはいえないと思います。今後も裁判は続き、傍聴する方も気を付けなければいけません。効率だけを考えるのではなく、もっと利用者の身になったセキュリティーチェックはできないものでしょうか。

 

 

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2019年2月14日 (木)

集会で感じたこと~韓国での裁判などについて

ご紹介した前2つの集会では韓国で判決が下った元徴用工などの裁判や戦後補償についてのお話が弁護士の先生からありました。日韓条約についての解説もあり、日韓による解釈の違いの理由が見えた気がしました。

例えば日韓条約が朝鮮半島の分断をそのままにする形で結んだこと。国交正常化につながったけれども植民地に対して日本は合法、韓国は不合法としながら、互いが玉虫色の解釈をしたこと。日韓協定は賠償ではなく経済協力であることなどです。こうした日韓相互のずれをそのままにして現状が解決するのは困難だと感じました。さらに日韓条約を結んだ方々の思いを知ることができないことも小さくない原因になっているのではないかと思いました。そして日韓条約の見直しや作り直しは難しいのではないかと話されていた弁護士の先生の言葉に、国民や市民として何ができるのか厳しい現実をつけつけられた気がしました。

 

また植民地支配についての賠償が世界的な問題となっていることも話されていました。戦後補償については他国との違いを話されていました。ドイツではフォルクスワーゲン社やシーメンス社は社史を作る際に労働組合と作り、その過程でナチスドイツ時代に自分たちの会社が何をしてきたのかを調べ直し、戦後の解決に向けていったそうです。カナダ政府は日系人強制収容の補償をする際、日本に来たということでした。日本政府や日本の企業の労組にこうした動きはないようです。このたびの韓国大法院の判決を機に植民地支配について日本政府は、植民地支配の賠償について考えなければいけないし、考える必要があると話されていました。

 

今であればまだ当時のことを間接的にでも知る方々からお話をお聞きすることができます。すでに数多くの方が多方面から植民地時代について調べておられるとは思いますが、さらに違う角度からの調査もしていただければと思います。何度も書いていますが、日本政府も日本人も歴史の事実を真摯に見つめ、伝えていく。そして被害者について何をすべきか考えていく。そして韓国と話し合いをする。このことに尽きるのではないかと思います。

 

 

 

 

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