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2018年9月26日 (水)

実写の力!広島を描いたドラマが秀逸でした。

 暑かった夏も秋に移りかわろうとしています。今年の夏はこうの史代氏原作の漫画が次々とドラマ化され、話題を呼びました。被爆73年目にして、このようなドラマが制作されることに新ためて映像の力を考えました。

ドラマは「夕凪の街 桜の国」「この世界の片隅に」の両作品で、単発と連続という形式でした。いずれもCGやセットで当時の様子が分かりやすく、役者さんたちの演技によって、あの時代を生きた方々がどのような気持ちで生き残ってきたのかを感じることができました。

 原作の漫画は拝読しており、今もどこかで上映され続けているアニメも見ていました。漫画もアニメも良作品でしたが、実写映像は漫画やアニメとは全く違った印象を受けました。まず役者さんがそれぞれ、設定の年齢に近い方がやっておられたのでイメージしやすかったことがあります。可愛らしい幼げな主人公が戦争の悲劇や無念さを一層、際立たせていたと感じました。実写のよさは何より表情です。役者さんが演じると役者さんの思いがそこに入るので、辛さや苦しみ、悲しみが生きた人間のそれとして観客に伝わってきます。主人公以外の登場人物もその時代を生きている人間なのだという厚みとして画面に現れます。実写映像の力を実感しました。

 これから被爆証言ができる方はどんどん少なくなり、いずれは被爆を語れる方はいなくなります。私は自分自身の映像を上映し、お話させていただく時「これは子供の話です」ということが多くあります。映像に映っている被爆者はお年寄りですが、被爆時は子供だったり、まだ20歳そこそこの若者だったからです。目の前の映像とのギャップをどうしても私の映像では埋めることはできないのです。その点創作物であれば、同年代の役者さんが演じることで、当時にすぐ戻れるというか、入り込むことができます。73年という年月も経過を辿れます。月日に込められた思いをほんの1シーンで表現することも可能です。そしてそれは観客がはっとする部分です。「気づき」が演出されることで、見る者の心に深く印象を残していくのです。創作物の醍醐味でもあります。

 被爆や被爆者はこれからも繰り返しテーマになると思いますし、なっていかなければいけないと思います。決して忘れてはいけないことだからです。映像化することで作る方は被爆に関して、被爆者に関して調べ考えます。役者さんも同様です。見る方も何かを心に残します。そうして原爆、被爆、被爆者が次の世代に引き継がれていくのだと思います。

 

 

 

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