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2018年2月

2018年2月22日 (木)

被爆二世問題を世界に発信。二世運動のこれから

 去る211日と12日の両日、広島市内で全国被爆二世団体連絡協議会(以下、全国被爆二世協)の総会が行われました。当日は広島や長崎はもとより山口や大阪、福岡、鹿児島など全国から被爆二世や支援者約70人が集まり、これまでの活動報告と今後の方針を決めました。この度の総会では昨年から始められている被爆二世集団訴訟が話し合いの中心となりました。また今後は裁判と並行して国際社会の場に被爆二世問題を訴えることなどの運動方針が決められました。

 まず被爆二世集団訴訟に関しては裁判の争点とこれまでの進行状況が弁護団長から伝えられました。裁判は「放射線被害の遺伝的影響」と「国の被爆者援護法の適用」が大きな争点となっており、現在まで原告の二世側は国に対し遺伝的影響に関する準備書面を出している状況です。長崎と広島の二か所で裁判が行われていますが、長崎の方が若干進んでいるということでした。放射線の二世への遺伝的影響を認めていない国に対し弁護団長は「国に対して反論していく」と闘いの決意を述べました。その後「裁判の論点における放射線の遺伝的影響について」の話がありました。ショウジョウバエやマウスで放射線の遺伝的影響が出ていることは研究論文で明らかになっており、ヒトへの影響はゼロではないということの証拠だとの説明がありました。

特別報告では「国連人権理事会に対する取り組み」が紹介されました。全国被爆二世協は2015年と2017年にジュネーブの国連欧州本部へ出向き、被爆二世に対して日本政府が人権保障をするよう国際社会に働きかけました。さらに各国政府代表部やNGOを訪問しロビー活動や意見交換などを積極的に行いました。その結果、国連人権理事会の日本政府の審査においてコスタリカとメキシコが被爆二世問題について言及し、報告書に盛りこまれるという成果につながりました。訪問団は被爆二世が国際社会で人権保障と核廃絶を訴えていく必要があると感じたと話していました。

2日間の総会では全国被爆二世協の活動方針として被爆二世集団訴訟への取り組みや福島のヒバクシャとの連携、核拡散防止条約(NPT)への代表団派遣などが決議されました。国内のみならず海外にも核廃絶と世界平和を訴えることが議論され、今総会が国際社会の場へ活動を広げる出発点となりました

今回はテレビや新聞などのマスコミが大勢来ていました。被爆二世集団訴訟が行われているためなのかもしれませんが、日本社会の被爆二世への関心が高まっていることを感じさせるものでした。また二世運動が国際社会とつながることで核兵器の非人道性を世界の人が知るきっかけになるのではないかと期待が膨らみました。影ながら二世運動を応援していきたいと思っています。

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2018年2月 6日 (火)

ヒロシマの怒り

今朝の中国新聞の社説は怒りに満ちたものでした。アメリカのトランプ政権が打ち出した核戦略見直し(NPR)に対し、日本政府が『「拡大抑止力が強化される」と歓迎した。(中国新聞2018年2月6日)』ということのためです。米国の小型核兵器開発は『抑止どころか、核使用のハードルを下げるだけであり、とんでもないことだ。(中国新聞2018年2月6日)』と怒りをあらわにしていました。  

 

戦争を放棄し非核三原則を掲げている日本の、新たな核兵器開発容認ともとれる対応に中国新聞の怒りの社説は当然のことだと思います。広島と長崎はたった1発の原爆で都市が消滅し、同年に合わせて20数万人の死亡者が出ました。地獄のような惨劇から生き残った被爆者は苦しみが今もなお続いています。私は被爆地に来て初めて原爆被害の実態を知りました。被爆者の平均年齢は82歳くらいですから、被爆時は10歳にも満たない子供でした。子供たちは70年以上、悲しみとトラウマの中、頑張って生き続けてきました。同時に被爆者は同じ苦しみを味わってほしくないと現在まで核廃絶を訴えてきたのです。それなのにどうして、というのが被爆地での素直でまっとうな反応だと思います。

 

中国新聞が広島の被爆者や市民の声を代弁しているというのを言いすぎとは思いません。中国新聞は毎日のように核兵器や米軍基地、被爆者を取り上げ、その問題点や課題などを被爆者や市民という被害者や弱者の目線で伝えているからです。原爆の被害を広島と長崎の二か所も受けた日本は核兵器被害の苦痛を忘れてしまったのでしょうか。日本国民のみならず植民地や外国の方たちに被害をもたらした核兵器の恐怖と非人道性を日本政府はいつ世界に伝えるのでしょうか。

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