« 2017年4月 | トップページ | 2017年6月 »

2017年5月

2017年5月29日 (月)

核兵器禁止条約制定交渉会議の記事を読んで

今月27日の中国新聞で「「被爆国と言えるのか」核禁交渉不参加 ヒロシマ落胆と怒り」という見出しの記事がありました。日本政府が核兵器禁止条約の制定交渉会議に不参加を明言したことに対し、被爆者が憤りを感じているという内容です。

 

核兵器禁止条約制定交渉会議は核兵器の使用禁止と廃絶を目指す国際条約で、国連に提出されていますが発効はまだされていません。今月22日、ジュネーブで開かれた交渉参加国の会合で条約草案の前文に「核兵器使用の犠牲者(ヒバクシャ)の苦難を心に留める」という表現が盛り込まれることが公表されました。被爆者の積年の悲願が認められた流れになっていましたが、被爆国である日本が条約の制定交渉会議に参加しないことが26日にわかったのです。

 

27日の中国新聞の記事では「被爆者と日本政府の思いは違う。」「『被爆者』と記された条約草案を見てなお核保有国の立場に立つというのか」と被爆者は日本政府への怒りをあらわにしていました。日本被団協は1956年の結成時から核兵器の廃絶を世界に訴え続けています。被爆者が背負った苦痛を少しでも軽くするのは、未来に同じ悲劇を繰り返さないという約束です。被爆国である日本が世界に訴えることで、核兵器を持つ国、持とうとしている国への説得力が強まるのではないでしょうか。

 

29日の朝、北朝鮮が弾道ミサイルを発射したニュースが流れました。北朝鮮は核開発の疑いもあり、核兵器の脅威がまた一つ増えました。今こそ核兵器を廃絶すべき時期なのではないでしょうか。条約草案の前文の記述「ヒバクシャ」は、日本語の被爆者です。どのような意味を込めて条約参加国が日本語を使ったのかを日本政府は考える必要があるのではないでしょうか。核兵器禁止条約の採択はこれからです。日本を含め核保有国、そしてより多くの国が核兵器禁止条約制定交渉会議に参加することを世界の片隅から望みます。

 

 

 

| | トラックバック (0)

2017年5月16日 (火)

広島・被爆二世裁判の意見陳述

広島と長崎で被爆した親を持つ子ども、被爆二世が起こした被爆二世裁判において今月9日、広島地方裁判所で意見陳述が行われました。マスコミの関心が高く裁判所の前はテレビカメラや報道カメラマンが大勢待ち構えていました。裁判所としても社会的な関心が高いという認識なのか、当日は裁判所内でも大きな部屋にも関わらず傍聴券が配布されるほどでした。実際、広報があまりできていない状況でしたが傍聴席はほとんど埋まっていました。裁判の様子をお伝えします。

裁判は原告による意見陳述で終始しました。広島で被爆した親を持つ、Hさん、Uさんがそれぞれご自身の体験を裁判長と被告の前で朗々と話され、なぜ裁判に至ったのか理由を説明しました。

まずHさんが「私はもともと4人兄弟であったようですが、この世に生を受けたのは私と姉の二人だけです。もしかしたら放射線の影響かもしれない。そんな不安がつきまといます。全国には30万人とも50万人とも言われる被爆二世が存在します。その多くが私と同じような思いを持って生きているのではないかと思います」と被爆二世が抱える不安を語りました。そして二世に対する国からの援護を求め行ってきた活動について述べました。

Uさんは被爆者であるお父様の生前の心身の状況について語り、ご自身の体調について「この3年間で、人間ドック以外で5回の癌検査をしています。父親が肝臓癌で亡くなりました。父と同じように癌にならないか心配です」と話しました。さらに高校生の時に知った被爆二世への結婚差別についての無念さも伝えました。

今後、裁判は原告や被告からぞれぞれ書面が出され進められていきます。裁判終了後の報告集会では親の被爆と二世へのリスクの関係、福島の原発事故被害者との関わりなどマスコミから質問が多く出されました。私は裁判の傍聴は何度か経験があるのですが、最初から傍聴するのは初めてのことです。長崎でも同様の裁判が起こされています。今後どのような意見や事実が出されていくのか注視していきたいと思います。次回裁判は822日です。

 

 

| | トラックバック (0)

« 2017年4月 | トップページ | 2017年6月 »