『被爆者はどこにいても被爆者 郭貴勲・回想録』(郭貴勲・著)を読んで
今回も被爆者の方の本の紹介をします。韓国原爆被害者協会の元会長だった郭貴勲さんが書かれた『被爆者はどこにいても被爆者 郭貴勲・回想録』です。まずタイトルの「被爆者はどこにいても被爆者」は、日本にいる時しか被爆者健康手帳の効力がないことに対して裁判を起こした際の郭貴勲さんの言葉で、その後の多くの在外被爆者裁判のスローガンとなりました。
「植民地下で生まれて」「日本軍生活」「被爆」「戦争は終わったけれども」「帰国」「教育者の道」「山に登る」「捨てられた韓国人原爆被爆者」「人道的支援の虚と実」「被爆者はどこにいても被爆者」「韓国人被爆者とともに歩んだ日本人」「韓国原爆被害者協会と私」
本書はこのような構成になっており、郭貴勲さんが生まれてから在韓被爆者運動で活動するまでの人生が書かれています。それぞれの章に植民地下の朝鮮半島の方々の生活や思いが丁寧に描かれ、口には出せない気持ちを抱きながら生きてこられたのだなあと感じます。
一つひとつあげるとキリがないのですが特に被爆者運動に関してお話すると、初めて知ることも多く、ある程度は理解していたつもりの運動の詳細が伝わりました。郭貴勲さんの無念さがページをめくるごとに重くのしかかってきて、よくぞ郭貴勲さんが運動を続けられたと、心底から思いました。そして日本人支援者の執念にも似た強力な後押しに同じ日本人として感謝と安堵を感じました。
日本と韓国は1910年から45年まで同じ国でした。朝鮮半島の方々は日本人で、日本人として戦いました。そんな朝鮮半島の方々に日本は何をしたのでしょうか。韓国人の立場から見る日本を感じて頂きたいと思います。本書は2013年に韓国語で出版されました。そして2016年3月、日本語での出版となりました。図書館や大学などの図書館で見ることができます。最後に郭貴勲さんの冒頭の言葉で終わりにしたいと思います。
顧みれば、私がこの本を著すまで、広島・長崎で被爆して帰国した多くの仲間が無念のうちに亡くなりました。援護を手にするまでには、在韓被爆者の訴えを受け止めた日本の市民団体をはじめ良心的な政治家、言論人らの支援がありました。
原爆がもたらした人間的悲惨や、世界に拡散する核兵器の非人道性を、韓日にまたがる歴史を知ってほしい。真に友好な両国関係を築きたい。そう願い、「被爆者はどこにいても被爆者」と題して日本語版を刊行することにしました。
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