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2013年7月23日 (火)

広島にいる在日外国人たちの今~その②在日外国人の教育について考える「基調報告」

 第二部の「在日外国人の教育について考える」では基調報告とディスカッションがありました。基調報告は広島国際学院大学の伊藤泰郎先生が「「広島市外国人市民意識調査・実態調査」の教育調査から」と題し報告をされました。そこから見えてきたものは広島に住む外国籍の方々の声なき声でした。

 

 調査対象の外国籍の方々は韓国・朝鮮、中国、フィリピン、アジア諸国、中米南米諸国、欧米系諸国とわけた分析が行われていました。「韓国・朝鮮」については、在日コリアンとそれ以外の人々、「中国」については、中国帰国者とそれ以外に分けて分析をされています。広島にも大勢の外国籍の方々がいることをあらためて思い知らされます。「子どもの教育で困っていること」は、国籍によって多少ばらつきがあるようでした。まず驚いたのは韓国・朝鮮のうち在日コリアンで困っていることの1位にあげられた「将来の就職」でした。在日コリアン以外の韓国・朝鮮の1位は「学費が高い・教材等の費用」です。これはオールドカマーとニューカマーに分けている数字ですが、オールドカマーが就職に関して今だに心配しているということにショックを受けました。差別が続いているせいなのかどうなのかは分かりませんが、この結果は重く受け止めなければいけないと感じました。同じく中国帰国者以外の中国とアジア諸国も「将来の就職」を1位にあげていました。進学と就職は深く結びついていますから、「どこの国で就職するか」「どこで生きていくか」を考えた時の戸惑いがでているような気がしました。その一方で欧米系諸国は1位「進学」2位「学費が高い」3位「勉強を手伝えない・教材等の費用」と勉強そのものへの心配があがっていました。アジア系諸国と欧米系諸国のこの差は日本に定住する外国籍の方々の将来の姿を現しているような気がしました。

 

「もしあれば利用したい制度や機会」として、韓国・朝鮮、中国、アジア諸国、中米南米諸国、欧米系諸国のいずれもが「あなたの国の言葉を子どもが学ぶところ」を上位にあげていました。フィリピンは「こどものための学校以外の学習教室」が上位でした。伊藤先生は「「困っていること」では中国帰国者の回答率が他よりもかなり高い。制度や機会についてはニューカマーの中ではフィリピンだけが「あなたの国の言葉を子どもが学ぶところ」が最上位になっていない。これは「母国の言葉や文化を学ばせたいか」という質問に対して、「どちらでもない」という回答が他より高いということと関係している。おそらく周囲(家族や親族など)が全て日本人なので、母国の言葉や文化を学ばせたいとはっきりとは言えない状況にある人が多いと考えられる」と分析されていました。

 

広島で朝鮮半島やアジア、中南米系といった国の言葉や文化を学ぶためには、場所はおろか機会すらほとんどないといっても言い過ぎではありません。滞在期間の長短に関わらず親が子どもに母国の言葉を知ってもらいたいと思うのは当然です。おじいちゃんやおばあちゃんと話せないのは切ないですし寂しいものです。そして何より親自身の存在がなくなってしまうような気になると思います。この数字は外国籍の方々の切実な願いが率直に現れていると感じました。

 

なぜこんなにも異文化を知る機会が少ないのか。そもそも日本人側の関心の度合いがどれほどなのかと考えます。外国人=よそ者扱い、もしくは「いずれいなくなる人」扱いをしているのではないでしょうか。外国人自らが機会を作ることはとても大変なことですから、同じ住民として私たちが考えていかなければならないと思います。例えば異文化理解のいい機会として、マンションや町内といった地域で率先して場所の提供を行い、住民たちを巻き込んでいけばいいのではないかと思います。せっかく異国の方がいるのですから、その文化に触れる機会をみすみす逃すのはもったいないと思うのです。異なる考えや文化に触れることで、新しい価値観や発想が生まれる可能性があります。古くから日本人は海外の文化をうまく取り入れて日本独自の文化を築き上げてきたではありませんか。「多文化共生は無理」という言葉を聞くことがあります。しかし在日コリアンの方たちが日本に暮らして長い年月が経ちます。フィリピンや中国の方々の子どもたちも大勢暮らしています。すでに日本人は多くの外国籍の方々と暮らしているのです。外国籍の方たちに関心を持つことが一歩なのだと感じました。



 



 

 

 

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