「黒い雨と低線量被曝 放影研の12・8見解を受けて」その③「黒い雨情報を使った解析について」
放影研が行っている基本調査票による「黒い雨」は、質問としては「原爆直後雨ニ逢イマシタカ?」の1項目だけで、回答欄は「 Yes No Unk」のいずれかに印をつける形式です。このUnknownは回答欄に記入がない場合も含みます。そして総死亡と総固形癌、白血病の死亡及び罹患との関連を評価しています。この基本調査は広島と長崎の寿命調査対象者の直接被爆者約9万人です。観察期間は1950年~2003年と、1962年~2003年です。
放影研の結果としては黒い雨にあたった人(Yesと答えた人)は、総死亡と総固形癌、白血病の死亡及び罹患のいずれの場合も有意差がみられなかったということです。しかし長崎では1962年~2003年の期間について総固形癌の死亡リスクに有意差がでていました。
大瀧先生は「癌は曝露から死亡まで待ち時間が長い。むしろ62年からの方を関連性があるとみるのが妥当だと思う。観察期間を長くするほど複雑化するので難しいが、例えばアスベストなどは40年経って初めて有意差が出てくる。被爆も長くていいのではないか」と被爆から発病までの関連を問いました。
また本田先生は「長崎の3割増しについてだが黒い雨を浴びた西山地区では被爆線量が400ミリシーベルトだ。相当高い線量ではないのか」と被曝線量についての疑問を投げかけていました。
放影研は「400ミリシーベルトは多い。しかし、この集団の追跡調査結果が400ミリシーベルトに起因するかどうかは議論にならない。なぜなら西山地区600人の住人が、調査対象集団と同じかどうかわからないからだ」という見解でした。また大久保理事長は「できることはしたいが黒い雨の状況は不明の人が多い。最初から研究するつもりならきちんととっていたはずだ。参考にするために聞いたものだ。我々も困っている。」と黒い雨のデータの捉え方に窮している様子でした。
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