丸木位里・俊「原爆の図」のこと~大阪でお聞きした話
原爆をテーマにした芸術作品は多いですが、原爆の惨状を世界に知らしめた作品といえば丸木位里・俊の「原爆の図」が有名です。さる11月10日、大阪大学で日本学方法論の会の研究会があり、「被爆体験とその表象」というテーマで、原爆の図丸木美術館の学芸員の方とお話してきました。私は研究とは畑違いの立場から話をすることになりました。ほんのわずかでも参加された方々の一助になっていればいいのですが・・・。しかし丸木美術館の学芸員の方のお話はとても興味深いものでした。 丸木位里・俊夫妻が描いた「原爆の図」はまだGHQ占領下で描かれ、1950年から日本各地で展示会が行われ始めたのだそうです。その時期はプレスコードのために開催自体が大変だったようで、札幌では逮捕者まででたといいます。しかし「原爆の図」の強烈なメッセージは人々の心を動かし、北海道から九州まで日本各地を回り、世界中に広がりました。私がお聞きして印象に残っているものでは警察などが取り締まりに来た際、すぐ持って運び出せるように絵画を掛け軸状にしていたということでした。丸木夫妻や主催者側のご苦労が垣間見えるエピソードでした。 数年前、広島で「原爆の図」の展示会があり見に行ったことがあります。想像以上の大きさにまず驚きました。そして描かれた一人ひとりの表情をじっと見つめていると、目があってしまいそうなほど迫力がありました。とても描かれてから60年近く経っているようには見えなかったことを思い出します。わずか一枚の絵がどれだけ多くの人の心を打ち、様々な行動へと促していったのかを考えると、芸術の真の力を確信します。晩年まで水俣や沖縄といった社会的な課題に取り組まれていた姿勢などをお聞きして、檄を飛ばされた思いでした。
| 固定リンク
「イトウソノミの雑感」カテゴリの記事
- よいお年をお迎えください(2023.12.09)
- よいお年をお迎えください(2020.12.31)
- 새해가 밝았습니다!올해도 열심히 하겠습니다.(2020.01.27)
- 来年は日韓関係が回復しますように(2019.12.27)
- 2018年を振り返って(2018.12.14)


最近のコメント