「全国平和教育シンポジウム」に参加して①
国民の理解を得ぬままオスプレイが沖縄に行きました。これから米軍と日本との関係はどうなるのでしょうか。考えるヒントになる講演会を聞いてきました。
さる9月16日、広島市内で日本平和教育研究協議会主催の「全国平和教育シンポジウム」が開催されました。主催の日本平和教育研究協議会は1973年、平和と民主主義を目指す教育のため設立された団体です。平和教育の内容の充実と発展のため毎年「全国平和教育シンポジウム」を開催し、今回で40回目になります。今年のテーマは「ともに平和を築く教育の創造をーオキナワ・ヒロシマ・フクシマとともにー」でした。基調講演は2つあり、ひとつは基地問題、もうひとつは放射線被ばくの影響でした。今回からいくつかに分けて、シンポジウムを振り返ります。
講演の一つ目は「東北アジアの平和と基地問題」と題し、ピースデポの湯浅一郎代表が、日本を中心とした東北アジアの軍事状況について講演しました。専門的な内容ではありましたが、今の日本が東北アジアの中で、どういう立場にあるかが理解できるものでした。
まず世界における軍事勢力が変わりつつあるといいます。世界の中で軍事費が多い国は1位のアメリカですが2位が中国なのだそうです。経済的に成長した中国は2008年から2位となっているようです。北東アジアは中国、日本、韓国と軍事費の多い国が集中し、これが安全保障のジレンマとなっているといいます。冷戦構造が残っているのは朝鮮戦争が終わっていない韓国と北朝鮮で、そこにアメリカと日本が加わった対立構造ができているのです。一方、中国の軍事力は軍事費の継続的な増大によって拡大しており、アメリカは東シナ海、台湾海など中国海軍を意識した動きをしているようです。しかし経済のグローバル化のもと、世界のあらゆる地域での脅威に対応するため軍事力の世界展開をしてきたアメリカは近年、そうもいっていられなくなってきたようです。国内的に2009年以来、空前の財政赤字が続き、軍事費を削減せざるを得ない状況となっているからです。そこで日本が憲法9条の精神にのっとり、国際社会においてあらゆる分野で非軍事に立脚した外交政策をとることを宣言し具体的に進めることができれば、東北アジアに平和を生みだせるのではないかというのです。かつてベルリンの壁の崩壊やEUの形成といったことでヨーロッパが一つになり軍事的な不安がなくなったように、東北アジアも地域の安全保障につながるのではないかというのです。
そのために日本は各国と対話と協議をしながらやっていくことが重要で、米元高官モートン・ハルペリンの提案した非核兵器地帯条約を柱とした「北東アジアの平和と安全に関する包括的な条約」を勉強すべきだといいます。これには朝鮮半島における戦争状態を終結させる。6カ国協議を母体に常設の安全保障協議体の設置。相互に敵視しない。エネルギーに関する相互支援。単独での制裁の禁止。非核兵器地帯の設置といったことが盛り込まれているといいます。世界的にみると非核兵器地帯は存在します。日本が動けば北東アジアも核廃絶の道を歩み、非核兵器地帯を拡げることが不可能ではないのです。
湯浅代表はこう締めくくりました。「構造化された社会を変えていくには努力が必要である。壁はそう簡単には動かないが、一人でも多くの市民が壁の前で立ち尽くし、壁を押し続けることが今、最も必要なのである。時間をかけて努力を続けることである時、状態が変わるのではないか。今の状況を変えるために努力していく」。
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