ドキュメンタリー映画「真実はどこに?―WHOとIAEA放射能汚染を巡ってー」を見ました。愕きの内容でした。
出会いというのは偶然の場合もあれば、探して探してようやく見つかるという場合もあります。それは人や物事に限らず本や映像でも同じです。ドキュメンタリー映画「真実はどこに?―WHOとIAEA放射能汚染を巡ってー」はまさに前者でした。ある集会でもらったチラシを見て行った講演先で上映されたものでした。内容は愕きの一言でした。偶然出会った映画でしたが、それは知っておくべきものでした。原発やヒバクに関心のある方には、ぜひお勧めします。51分という短い時間ですが、そこには重大な事実が映し出されています。
ウラディミール・チェルトコフ監督のこの映画の原題は「核論争」で2004年に制作されたものです。2001年にキエフで開かれたチェルノブイリ事故の医学的影響に関する国際会議の内容を中心に、被害の実態がなぜ明らかにされていないのかが描かれています。登場するのは物理学者、医師などいずれも放射線の影響を最前線で知る専門家たちです。被害の実情を公表しようとする動きと、それを排除し隠ぺいしようとする側のせめぎ合いをカメラは収めています。ほとんど編集していないのではないかとさえ思えるほど長いシーンの連続で、まるで目の前で会議が行われているかのようなリアルさで伝わってきます。内容はチェルノブイリ事故の影響を研究している科学者が無実の罪で投獄されていたことや、WHOとIAEAの関係など私が知らなかったことばかりでした。WHOとIAEAは汚染された住民の健康維持のためにチェルノブイリ事故の影響を管理する責任を持つ組織なのだそうです。特に驚いたことはWHOとIAEAが合意書を交わしており、IAEAの同意がなければWHOは原子力の分野で活動することができないということです。それは原子力機関の都合によって健康に関する課題がないがしろにされる可能性があるということです。原発を持つ国々はこのことを知っているのでしょうか。特に日本はチェルノブイリ事故について対岸の火事ではいられないはずです。映画が制作されてから8年経っていますが、チェルノブイリ事故の実態はいまだにハッキリと伝わってきていないように感じます。
フクシマの原発事故の実態について政府は把握できているのでしょうか。そして日本に住む私たちや、何より福島をはじめとする被害地域にきちんと伝えているのでしょうか。そしてこれから起こるかもしれない事故後の出来事を想定しているのでしょうか。想定できないということがあるのだとしたら、様々な科学者、研究者の知識を集積して早急に想定すべきだと思います。ヒロシマ、ナガサキ、ビキニ、そしてチェルノブイリとヒバク地は世界各国にあり、研究者もたくさんいるのですから。
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