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2010年6月11日 (金)

小さな花を見て感動すること

 久しぶりに遠くにいる友人と電話で話し、何気ない彼女の言葉に胸をうたれました。彼女はこう言いました。「私はね、息子が赤ちゃんの時、胸に抱えていてこう思ったの。将来、この子が生きていたくないと感じる出来事に遭った時に、小さな花を見て感動してくれたら、それで生きる勇気をもらえるような子どもに育てたいと思ったの。だって親の私が守ってあげられる部分はほんのわずかだから」。私は最近のマイブームである西原理恵子さんの漫画を思い出しました。

ここ一カ月の間、『ぼくんち』『ゆんぼくん』『パーマネント野ばら』『女の子ものがたり』『上京ものがたり』などを中心に出版されている作品を読んでいました。作品は‘貧乏’に負けずに力強く生きている人々を描いていました。私は登場する人々がなぜこんなにも明るく力強いのか不思議でならなかったのですが、‘感動する心が生きる力になる’という友人の言葉を聞いて少しわかったような気がしました。西原理恵子さんは職業や生活環境など分け隔てなく人間の持つ優しさを描いていますから、例え犯罪者であっても優しいのです。いい加減な親がいても、周囲から小さな感動や喜びを与えられて、登場人物たちは生きてきているので、貧しくても辛くてもたくましいのかもしれません。作品には小さな優しいエピソードがちりばめられていますから。

5月中旬に広島市内で<広島市こども条例に関するシンポジウム>がありました。広島市では‘子どもの幸福のための環境整備’をすべく条例を制定しようとしており、賛成派と反対派の両方が集まり討論しました。条例をつくるメリットやデメリットがどこにあるのか今ひとつ理解できかねましたが、そもそも条例制定を考えなければいけない社会状況に置かれているという現実をつきつけられました。シンポで話されていた方の中に、全体の40%が外国籍の生徒という学校の校長先生がおられました。その先生が「子どもには安心感が必要。教員や親、地域住民が土台となって、子どもたちの安心感を作り出すことが大切だ。わが校の地区には‘ばっちゃん’という存在がセーフティネットになった」ということを話されていました。この学校の不登校生徒はゼロだそうです。確かに‘受け皿’つまり‘居場所’があって初めて‘生きる場所’も存在するのかもしれません。

子どもの自殺のニュースを聞くと心が痛んで仕方がありません。西原理恵子さんの作品に出てくる人々は何があっても‘生きる’ことを考えます。‘自殺’など誰一人考えません。私には子どもはおりませんが、周囲の大人として‘感動’と‘居場所’の提供を責任にしていかなければいけないと思いました。

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