労働が呼んでいる?仕事で疲れた方には怒髪天“労働コーリング”がお勧めです。
怒髪天というバンドをご存知ですか?私は20年ほど前、札幌のライブハウスで彼らの演奏を見たことがありました。“いか天ブーム”でバンド全盛期の頃、札幌では結構人気があり、元気のいいバンドというイメージがあります。東京に行ったことまでは知っていたのですが以後の活躍は全くわかりませんでした。先日NHKのトップランナーという番組で怒髪天の名前を見て驚きました。まさかと思い見てみると、やはり彼らでした。
私が知っていた頃と比べ容姿もかなり変わっていたので、最初はピンとこなかったのですが、テレビを見ているうちに当時が少しですが蘇ってきました。元気のよさは相変わらずでしたが、昔とは曲の雰囲気が変わったように思いました。「ほらガンバレよ」と軽く後押ししてくれるような軽快なリズムに悲哀を感じる歌詞は、泥臭いのですがどこか懐かしく“ほっ”とします。
私はそんな今の彼らの曲が大好きになりました。「ジャパニーズR(リズム)&E(演歌)」がポリシーらしいのですが、「労働を歌うことが急務」という使命(?)で作られた歌詞は、東京での彼らの生き様がそのまま歌になっているようです。その世界観は日本で働いている方なら比較的多くの方が共感できるのではないでしょうか。思わず苦笑してしまい、そしてなぜか“じん”と心にくるのではないかと思います。
怒髪天の歌はどれもいいのですが、入口として私がお勧めするのは“労働コーリング”。ワーキングプアの実情を歌にするとこうなるのかといった内容で、聴く蟹工船バンド(?)の本領をたっぷり発揮した曲です。仕事で疲れて、人間関係でも疲れて、もうダメだあと思った時、この曲を聴くと元気になること請け合いです。辛いことが多いけれど、誰もが同じような思いで生きているということが分かるからです。そしてもう少しだけ頑張ってみようかなと勇気が沸いてきます。
怒髪天は歌だけではなく生き方にも感慨深いものがあります。上京後、一時バンド活動を完全に辞めていたといいます。しかし近年再開し、自分たちが本当にやりたい方向でバンドを楽んだ。それが結果として日本のロック界を変えるようなバンドに変貌した奇跡のような物語がそこにはありました。バンドのメンバーは皆40歳すぎになり回り道はしたけれど、その回り道があったからこそ今の成功につながっていることを思うと、生きることは悪くないと素直に思えてくるのです。彼ら自身の生き方こそ、私たちへの応援歌になっているのです。
| 固定リンク
「本を読んで・映画を見て」カテゴリの記事
- 映画「ひろしま」を見て(2019.09.04)
- 映画「主戦場」を見ました。(2019.06.21)
- 日本の被爆者援護の根幹について書かれた意義深い論文~ 『原爆被害者対策基本問題懇談会(基本懇)についてー何が語られ、「報告」はどのようにつくられたか』田村和之・広島大学名誉教授 (2019.05.30)
- ドキュメンタリー映画「アイたちの学校」を見ました。(2019.05.12)
- ドキュメンタリー映画『ブラジルに生きるヒバクシャ』を見て(2018.10.25)


最近のコメント