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2009年4月14日 (火)

広島で行われている歴史授業

 今回も学校の授業に関するお話しをひとつ。先の土曜日に「日韓歴史学習IN広島」がありました。教科書問題を考える市民ネットワーク・ひろしまが主催し、韓国の市民団体“アジアの平和と歴史教育連帯”のメンバーを招いての学習会です。午前中は座学、午後からはフィールドワークが行われ、私は午前中のみ参加しました。
 午前中は韓国と広島の社会の先生が“日清戦争をどう伝えているか”についての報告会でした。広島は中学校と高校の先生による実践授業を、韓国側からは教科書で日清戦争をどう描いているかを発表しました。今の日韓の学校の現状がわかり、教科書については両国とも同じような状況になる可能性があることを知りました。
 まず広島の先生からは非常に熱心な授業の取り組みが報告されました。広島は日清戦争が始まる前、大本営が置かれ、天皇も来広した時期があり、広島に臨時に移された帝国議会で日清戦争の予算が決定された、という歴史があります。両先生は日清戦争以降の戦争と非常に縁の深い広島の歴史を、生徒たちに分かりやすく身近に感じてもらえるよう工夫した授業を行っていました。私の中高生時代は、近代史をほとんど学習していないというイメージしかないので驚きました。日清戦争だけで1・5時間から2、3時間という長い時間をかけているからです。そして教科書に書かれていない事実や関連した地域の歴史を実際に先生ご自身で研究されて教えていらっしゃることに感銘しました。韓国の先生が「教育委員会や保護者から何も言われないのか」と質問したところ、「今まで何も言われていない」とお二方とも答えられ、一人の先生が「日本国内のどこでも、私のような授業を行えると思うが、研究する時間がない。毎日夜9時まで学校にいる状況だ」と訴えておられたのが印象的でした。
 韓国側からはお国の事情を感じられました。現在、韓国では「国史」「韓国語」「道徳」の3つが国定教科書で、それ以外の教科は検定教科書だそうです。つまり国定教科書は国内全ての学校が同じ教科書を使っているので、選択の余地がないというのです。しかし2010年からは国定ではなくなり、検定教科書になるようです。現在の李明博政権支持派は「植民地があったからこそ今の韓国がある」という歴史観を持っていて「ニューライト派」と言われているようです。「検定教科書になった際、どのような内容の教科書がでてくるのか。日本と同じように教科書に関して目を光らせなくてはいけない」と話されていました。ちなみに英語は検定教科書で20種類もあるといいます。その時の政権で検定の状況が変わることも十分考えられ、客観的ではない歴史認識の教科書が出てくる可能性もあると思いました。現在の国定教科書は“日清戦争”について「朝鮮近代化と日本の朝鮮への侵略の過程で起きた一つの事件」として記述され、戦争の詳細はないようです。「日清戦争の直接的な被害者は朝鮮であり、戦場でもあったのだから注目する必要がある」と話されていました。
 私は最近、明治時代について関心を持ち始めたばかりなので、今回の報告会はとてもいい勉強になりました。私は教科書や本に書かれた歴史、マスメディアに出された情報について誰の立場でどう読むかはとても大事なことだと思っています。学生だけではなく社会人も、世間に出回る情報に関して、背景を考えながら見極める、読みとる力が必要です。なぜそのような情報が流されるのか。与えられた情報だけを鵜呑みにせず、まず自分が正しい知識と認識を持った上で、情報の意図を読みとっていかなければいけないと改めて思いました。

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