二重被爆の認定
昨日24日、長崎市が広島と長崎の2箇所で被爆した被爆者の被爆者健康手帳に「二重被爆」の記載をしたという記事が、今日付けの中国新聞に載っていました。「二重被爆」の認定を受けたのは長崎市に住む93歳の男性で、2006年公開の映画『二重被爆』の主人公です。新聞によると、手帳に二重被爆を記載した例は他にはなく“極めて珍しいケース”だといいます。ご本人は「自分が死ぬ前に二重被爆の記録を残せてよかった」というコメントをされています。
この方は当時、長崎市の三菱重工業造船部の技師をしておられたようです。広島に出張中に被爆し、長崎に帰った後、再び被爆されました。私は映画を拝見させていただきましたが、1度でも大変な出来事に2度も遭ってしまうということに改めて、驚愕しました。そしてこの事実をどのような形で証明していくことがいいのか考えました。
実は「二重被爆」については、この映画公開のかなり前に、在韓被爆者の方から聞いたことがありました。当時、手帳を持っていない、長崎で被爆したハルモニ(おばあちゃん)が「広島と長崎の両方で被爆した人もいるんよ」と話していたからです。私はその時とても驚きました。広島からまた長崎に行くというのはどういうことなのか。よく理解できませんでした。しかし少し考えてみると、被爆の翌日には避難列車が出ていたのです。数的にはそう多くないにしろ、列車に乗って親戚や知人のいる長崎に避難することを考えた被爆者がいたことを想像するのは、さほど難しいことではありません。
今回、「二重被爆」が手帳に記載されたというのは、今の時点ではとりあえずいい方法だと思います。映画という形で証言を残すことも大事ですが、やはり心身に対する影響を考えると、何かしら対策をとる必要があると思っていたからです。また加えて、現在、手帳の記載には1号被爆(直接被爆)、2号被爆(入市被爆)といった区分でしか記載がありません。しかし多くの被爆者は直接被爆し、そして家族などを捜しに入市もしているのです。つまり放射能をたくさんあびているのです。私は以前から、こうした状況も記載するべきだと思っていました。
もちろん手帳を取得する際に状況を聞かれているので、直接被爆して入市もしていることは書類には残っているとは思いますが、これは公開されるものでも、証明書でもありません。現法ではいずれか1つの区分しかありませんから、放射能を何重にも浴びた実態が記載されていないのです。もし二重被爆が手帳に記載されるなら、この直接被爆や入市被爆、加えて3号被爆(死体処理及び救護に従事した者等)も併記することも検討してはどうかと思います。そうすればより被爆者の心身状態、被爆の実態が分かり、被爆者への治療も進むことにつながると思うのです。
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