対馬旅行記② コグマのルーツは対馬?!
「対馬の人間は韓国に対して本土とは違った親近感があります」とある方がおっしゃいました。島の2つの港からは釜山港まで船が毎日のように就航し、最短で1時間20分です。福岡まで約4時間ですから、釜山は隣町に行くような感覚なのだと思います。韓国の方が来るだけでなく、対馬の方が釜山に買い物に行ったり、映画を見に行ったりしていると聞きました。「長崎の出島が日本での海外貿易の場所というけれど、対馬だって同じようにやっていましたよ」と対馬の方々は口を揃えておっしゃいます。対馬は本土と朝鮮半島を結ぶ交易拠点として重要な役割を担ってきました。また稲作がしにくい対馬で、対馬の海産物を韓国の米と換えるなど対馬の人々にとっても朝鮮半島は大きな交易相手だったのです。
島内の道路に設置された看板にはハングル文字が書かれています。厳原町には朝鮮通信使が通った際の資料館や宿泊施設などが残り、“唐人町”という地名も残っています。対馬と韓国は近くて近い国なのだと感じます。そんなエピソードをご紹介。
韓国ではサツマイモのことを“コグマ”と言います。この語源が対馬にあるというのです。対馬では救荒作物として入ってきたサツマイモを“孝行芋(こうこいも)”と呼んでいます。それが朝鮮通信使などを通じて韓国に渡り“コグマ”になったというのです。また対馬の方言で“友達”ことを“チングイ”というようですが、これは韓国語の“チング(友達)”そのままです。畑を耕すことを意味する“パル”も韓国語“パダ(掘る)”からきているのではないかと言われているようです。
微笑ましいエピソードをもう一つ。ある時、韓国からお嫁さんをもらう事になった対馬の男性が「嫁ぎ先は長崎県」だと言って連れてきたのだそうです。韓国人のお嫁さんが「異国に行く」と楽しみにして来てみたら、よく知っている土地(対馬)だったというのです。韓国の方にとっても対馬は外国というイメージではないようです。
言葉や町名(唐人町など)などは日本各地でも感じられることだと思います。今も使われている日本語に韓国語が混じっていることや、お寺の本尊などが韓国の仏像と同じ形であること、陶芸などの芸術も韓国から来た方々によって広がっていったことなど、日本の原風景の中に朝鮮半島の面影を見るとき、切っても切れないつながりを感じます。対馬の方のように、日本人が朝鮮半島に対して「他の国とは違った親近感を覚える」とき、今よりもっと素敵な日韓関係が築けるのではないかと思いながら、対馬を後にしました。
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