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2008年10月 8日 (水)

国が貯めてきたツケ〜在外被爆者の集団訴訟

 この度、在外被爆者が国を相手に損害賠償を求める集団訴訟をすることになりました。第一陣はアメリカとブラジルにいる被爆者計163人で、6日に広島地裁に提訴しました。今、韓国にいる被爆者も訴訟の準備を進めています。高齢の在外被爆者にさらなる負担が覆い被さってきたのです。 
 日本以外に住んでいるという理由で健康管理手当などの支給を打ちきっていた国に対し2007年11月の旧三菱重工業元徴用工裁判の最高裁判決で違法性が認められました。最高裁では元徴用工に対し一人120万円の賠償金の支払いを国に命じました。この時、被爆者援護から見放されてきた在外被爆者へ損害賠償が認められたのです。そこで、韓国の原爆被害者を救援する市民の会などを含む在外被爆者団体が、元徴用工以外の在外被爆者へも損害賠償を支払うよう厚生労働省に要求しました。しかし「裁判の原告と同じようなケースであれば、裁判を起こせば支払う」旨の回答をし、元徴用工と同じように今まで苦しんできた在外被爆者の要求を拒否したのです。そこでやむなく集団訴訟という手段をとらざるを得なくなってしまいました。アメリカもブラジルも韓国も、裁判を起こすことで再び被爆者に重い負担をかけなければいけないという葛藤の末の集団訴訟という形になってしまったのです。
 昨日7日付の朝日新聞によると『桝添要一厚労省は今年6月、「国家賠償にかかわる問題なので(被爆者に賠償するには)司法判断が必要。個別に提訴されれば迅速に和解したい」と国会で説明した。』と書かれています。元もと、被爆者援護法が違法であると司法(最高裁)が判断したことですから、それに従って他の在外被爆者にも賠償金を国が支払うのは当然のことだと思いますが、今さらなぜ司法が必要なのでしょうか。国独自で判断することはできないのでしょうか。法律のことがわからない私には、とても不思議でなりません。
 在外被爆者は2003年まで被爆者援護法の蚊帳の外だったので、長年の病気の治療費などの自己負担は相当なものでした。それに加えての今回の裁判はさらなる費用の負担をも強いてしまいます。裁判ですから万が一、負ける可能性も捨て切れません。また北朝鮮や他の国にいる被爆者には日本からの情報が伝わっているかどうか、よく分かりません。もしこのまま国が一律に補償をしなければ、同じ在外被爆者でも、また大きな差が開いてしまいます。私はこの賠償金は長年、国が貯めてきたツケの支払いだと思いますが、なぜ在外被爆者ばかりに負担を強いるのでしょうか。

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