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2007年9月 3日 (月)

日常の中の戦場

 先日「着物柄に見る戦争展」を見てきました。これは『図説着物柄に見る戦争』(乾淑子編著 インパクト出版会)という本に掲載された着物や帯などの中から実物をいくつか展示したもので、広島市内中心部にある呉服屋さんで開かれていました。庶民の意識がいかに戦争と深く結びついていたかを見せてくれた強烈な展示でした。
 「海軍」という文字を織り込んだ絣、愛国婦人の紋章が描かれた帯、戦車や戦闘機、野砲などが描かれた襦袢、植民地にした朝鮮半島などの駅のスタンプが描かれた着物など、着物にまつわるあらゆる物に戦争が入り込んでいました。気分が悪くなるほど恐ろしかったのは大人だけではなく、子どもにまで着せていたことでした。
 図柄は「血染めの布や鉄帽、破壊筒」が図柄になっている肉弾三勇士や爆弾三勇士、兵士達が地を這い、照準をのぞいている姿や神風飛行機といった戦闘の状況をリアルに描いたものが多いのですが、色合いはとてもシックで上品な感じです。ぱっと見ると、とてもステキでおしゃれな着物だと思ってしまいます。子ども用の柄などは特に兵士が可愛らしく描かれています。血染めの布を柄にするなんて、本当に不気味としかいいようのない代物なのですが、当時はそれが当たり前として生産され、また当たり前のように着られていたのでしょう。兵士たちだけではなく、子どもからお年寄りまで国民一人一人が戦場に立ち会っていたのだということをあらためて実感しました。
 着物柄までとは、生産者の意思かどうかは分かりませんが、流行という言葉では言い表せない不気味な現象です。一方でこうして戦争を身近にすることで、恐怖心や警戒心などを取り除けるのではないかとも思いました。
 しかしふと今の私の生活の中を見渡すと、迷彩柄のグッズや戦闘ゲーム、マスコミから流れる戦場の映像など、気がつくとすでに戦場が日常にありました。戦闘ができる船や飛行機、潜水艦も身近にあります。戦争はある日突然やってくるのではなく、日常の中に知らない内に忍び寄っているのかもしれません。もっと敏感に色々なことに目を向けていかなかればいけないと、襟を正しました。

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